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GREENa LAB

「自然エネルギー」をめぐる、ヒト・モノ・コトの実験室

風力発電のイメージ画像

2018.11.13 公開

自然エネルギー、再生可能エネルギーとはどんなもの?

日本では発展の余地がまだまだある再生可能エネルギー
「風力発電」について知る

風車を使い、風の力をエネルギーとしてものを動かす方法を、人間は古くから活用してきました。粉を挽き、水を汲み上げ、丸太を切ってきた風力は、現在では電力を生み出してもいます。
技術の進歩により、特に2000年頃から飛躍的に発展してきた「風力発電」。
このページでは、クリーンな発電システムとして注目の「風力発電」についてまとめました。

風力発電設備のイメージ画像

発電の仕組み

風力発電では、風が風車の羽根を回すことで発生するエネルギーを使って発電します。

風が電気になって手元に届くまで

  1. 「ブレード」と呼ばれる羽の部分が風を受けて回り、動力が発生
  2. ブレードの付け根にある「ナセル(機械室)」の中の「増速機」が歯車で回転数を増加
  3. 発生したエネルギーを、ナセルの中の「発電機」で、電気に変換
  4. タワー(塔体)下部の「トランス(変圧器)」で電気を昇圧
  5. 送電線などを通って、電気が届く


風力発電の設備には、
・変化する風向きに対応して風車が常に風上を向くように調整する「ヨー駆動装置」
・風が強すぎる時や、点検の時にブレードを止めるための「ブレーキ」
等も設置されています。

主な種類

風力発電に使われる「風車」は大きく分けて、回転軸が風向きに対して平行な「水平軸型」と垂直な「垂直軸型」があります。
現在最も多く利用されているのは「水平軸型」の「プロペラ型」で、特にブレードが3枚のものが主流です。
また、小型の風車には、「水平軸型」の「多翼型」や「垂直軸型」の「ダリウス型」、「ジャイロミル型」などがよく使われています。

発電量

風力発電設備では、おおよそ風速3~25m/秒の範囲で発電します。
安定した風力(平均風速6m/秒以上)が得られる状況にある、2,000kW級の風車1基で、一般家庭約700世帯の1年間の電力をまかなうことができます。
ちなみに、2,000kW級の風車の大きさはというと、タワーの高さは60~80m、羽根の直径は60~90mもあります。

風力での発電量は風の発生状況に左右されるため、同じ規模の風力発電機でも年間の発電量は異なります。
風がない時や非常に弱い時には発電できず、また風が強すぎる時も運転を止めます。最近の大型風車では、風速が25mを超えると、風車は自動的に運転を止める仕様になっているものが多いようです。

メリット、デメリット

メリット

・発電の際、排気ガスやCO2、廃棄物などが発生しない。
・エネルギーの枯渇の心配がない。
・風力エネルギーから電力への変換効率が約40%と高い。

デメリット

・風が弱すぎても強すぎても発電ができなくなるため、安定性に欠ける。
・地上の場合、設置場所まで大型車両が入って行ける道がないと発電設備を設置できない。

発電に適した場所、発電所が多い地域

風力発電に適した場所の条件は、
・安定した風力が得られる
・設置場所に大型車両が入って行ける
などが挙げられます。
日本国内では、太平洋側の海岸沿いが風力発電に適しており、特に北日本には風車が多数設置されています。

風力発電ベスト3 ※設備容量/風車数(2018年3月末現在)

・青森県 417,463kW/253基
・秋田県 370,934kW/210基
・北海道 358,745kW/304基


風力発電についてもっと知りたい方へ

参考となる書籍やウェブサイト、ウェブページをご紹介します。

参考文献

『図解よくわかる自然エネルギーと発電のしくみ』白鳥 敬著、飯田 哲也監修 2013年1月 日本実業出版社

参考サイト・ページ

一般社団法人 日本風力発電協会
資源エネルギー庁:再生可能エネルギーの種類と特徴 風力発電
資源エネルギー庁:エネルギー白書2018
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構:NEDO新エネルギー部:[日本における風力発電設備・導入実績]
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構:NEDO局所風況マップ
環境省:風況マップ
国立環境研究所 環境情報メディア 環境展望台:環境技術解説 - 風力発電
環境エネルギー政策研究所
一般財団法人新エネルギー財団:色々なエネルギー 風力発電
環境ビジネス:環境用語集 風力発電

上記URLは2018年11月の記事執筆時点のものです。
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