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GREENa LAB

「自然エネルギー」をめぐる、ヒト・モノ・コトの実験室

加山興業株式会社代表取締役 加山順一郎氏

2017.6.21

エネルギーから、コーヒーまで。
ゴミから社会の「出口」を考える。
加山興業株式会社
代表取締役 加山順一郎氏  企画部部長 田畠真一氏インタビュー

産業廃棄物ってなんだろう?
私たちの生活にどう関わっているのだろう?
「とっても頑固なゴミ屋さん」加山興業の取り組みから、
環境や社会について、いろんなことが見えてきました。
「産廃」と無関係な人はいない
加山興業は、産業廃棄物の処理をメインの事業とされていますよね。だけど産業廃棄物って、一般の人にとっては具体的にどのような物なのか理解しづらいし、身近な感じがしません。ですので、まずは産業廃棄物について少し教えていただけますか。
加山
 細かい数字は把握していませんが、日本全国で出る年間約4億トンもの廃棄物のうち、家庭ゴミなどの一般のゴミは約1割にすぎず、あとは全て産業廃棄物です。
そんなに大量なのですか!?
加山
 一般の人は、産廃?関係ないよって思っているかもしれない。
 でも、みなさん病院に行きますよね。予防接種もしますよね。その注射針とか、血液の付いたガーゼ、脱脂綿とか。あと、手術したときのメスなども産業廃棄物になります。
加山順一

例えば、そのような血液がついたものやメスみたいなものはどのように処理するのですか。
田畠
 血液のついたものや鋭利なものなどをバイオハザードマークのついた安全なプラスチック容器に入れられて、私たちの工場に運ばれて焼却処理し、無害化致します。
田畠真一

加山
 あとは例えば…自宅を造るときって、必ず端材なんかが出るじゃないですか。大工さんが作る端材。あれも産業廃棄物になります。自分が住まなくなった家を壊して解体しますよね。あれも全部産業廃棄物です。
 一般の方々は、「私は産廃なんか関係ない」って思ってらっしゃるかもしれないけど、全くそうではないのです。
なるほど!確かにそうですね。私たちも産業廃棄物を出している。
加山
 あとは蛍光灯など、それぞれの市町村で処理しづらいものが我々産廃業者のほうに委託で来ることもあります。
どんな廃棄物だってリサイクルできる
医療系の廃棄物や建築の端材、蛍光灯って全然違うものじゃないですか。それぞれ別の適正な処理の仕方があるのだと思うのですが、そんな異なるジャンルのものを全部扱ってらっしゃるのですか。
加山
 そうですね、ほぼ取り扱っております。そして、それぞれに適正な処理方法があります。病院からの医療廃棄物はそのままの状態ではリサイクルできない。だから全部、適正に管理された焼却炉で完全に無害化できるように焼却します。でも、焼却すればいいってもんじゃなくて、焼却するときに熱が発生するじゃないですか。その熱はサーマルリサイクルという形でリサイクルしています。
加山順一

なるほど。すべてを無駄なくリサイクルするのですね。
加山
 先ほどの蛍光灯にしても、端っこの口金部分はスクラップ屋さんに買ってもらっていますし、真ん中のガラス部分も細かく破砕し、安全な状態まで研磨してリサイクルします。グラスウールを製造している工場に製品として販売します。
徹底していますね!それは、全ての産業廃棄物の処理業者さんがされていることなのですか?それとも、加山興業さんが独自に取り組んでいらっしゃることですか?
加山
 もちろん、ただ単にゴミを集めてそのままポイッと埋め立て場に持ってく業者もあります。それはそれぞれの会社の「想い」の違いじゃないかな。うちの場合は少し前まで『とっても頑固なゴミ屋さん』を会社のキャッチフレーズにしていたぐらいなので、やっぱり徹底的にリサイクルし尽くしたい。
なぜそこまで徹底的にリサイクルし尽くしたいという「想い」が強いというか、環境への意識が高いのでしょう。
加山
 それは、やっぱり会社の精神だと思います。要は、お客さまができないことを我々がプロとしてやることで、社会にとって必要とされる会社になれる。
 「リサイクルなんか知らないよ」「適当にやっておくよ。安くしておくから大丈夫だよ」なんて言う業者さんにお願いしたいですか? 目の前からゴミが消えることだけを考えるならそれでもいいかもしれない。でも、企業って長く続かないと駄目じゃないですか。
そうですね。その場しのぎでは続いていかない。
加山
 そのためにはやっぱり、徹底的にリサイクルにこだわって、値段は他社さんに比べると若干高いかもしれないけれど…それだけ人件費も掛け、設備に投資もしています。地域で最終的に選ばれる会社っていうのは、やっぱりそれなりの特徴がないと生き残れないと思います。
 たとえ若干高くても、加山に頼めばリサイクルもしてくれるし、後の処理に関してお客さまが困ることはないという安心感と信頼が大切だと思っております。
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