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GREENa LAB

「自然エネルギー」をめぐる、ヒト・モノ・コトの実験室

平田はる香氏と店舗入口

2021.11.24 公開

問い掛けることに意義がある。
株式会社わざわざ
代表取締役 平田はる香氏インタビュー(3/3)

うちのスタイルと合うなという気持ちで選びました
なるほど。電気の使い方を一度すべて集計して、見直しをして、これからは管理していくことも必要になるということですね。もともと電気以外のエネルギーの集計というのはされていましたか?
平田
集計はしていないですね。どこもそうだと思うのですが、「水道光熱費」という経理上の計上はもちろんしなくてはいけないのですが、年間で何リッター使っていて、何リッター減らしたかといった集計は、小売の企業はあまりしていないと思います。それが優先順位で上にくるという企業は少ないと思います。
しかもそれをやったからといって利益が出るわけではないですからね。すごく工数は掛かるのに利益は全く出ない。だからB Corpという認証は素晴らしいと思います。そこにB Corpという認証が入ることによって価値付けをしてくれているので。消費者がB Corp認証の入ったものを優先的に買うとか、利用するとか、そういう仕組みが出来上がってくればやっと価値が出るという感じですよね。
ただ日本においてはまだ殆どゼロの状態なので、価値を勝ち取るには本当に長い時間がかかるでしょうね。
そうですね。実際には中小企業など従業員規模が少ない企業は難しいかもしれませんね。
平田
本当は大企業がまずやるべきだと感じています。日本でも2050年にカーボンニュートラルを掲げている。経産省の資料などもすごくいいことが書いてありますが、実行はなかなかされていかないですよね。原子力については否定できない。「クリーンエネルギー」という言い方で原子力を包括しています。非化石という言い方ですね。これはフランスやデンマークなど、国によって見解が分かれていると感じます。
先進的な考えを持った姿に近づいていくよう問い掛ける
そうですね、海外などの視点も踏まえてエネルギーを考えていく必要はありますね。さて最後の質問ですが、今後エネルギーの分野で挑戦したいことは何かありますか?
問の店舗にあるのれん

平田
直近のことでいうと、問(tou)の店舗の電力を自然エネルギーに切り替えたいというところです。それを市に問い掛けることに意義があるのかなとも思っています。何度も何度も話をしに行って理解してもらうことが大切かなと。経産省の出している資料にも、長野県が出した指針にも再エネ導入を進めるといった旨が記載されています。全国の中でも長野県は再エネを選択する方向に向かっている。それって珍しいケースですよね

だとしたら市にもきちんと理解していただいて、当社のような企業をバックアップしていくべきだと思います。でもやはり私たちが言い出さないと市町村はその選択をしない。全部の事業所を切り替えよう、とはならない。だから下からの突き上げが何回も起こることによって、市町村全体が再エネへ向かう雰囲気になっていくこともあるのではと思います。じゃあうちもやってみようかなとか、個人のベースに落ちてくることもあるのではと思います。

先進的な考えを持った姿に近づいていくよう市町村への問いかけをする、この店舗をきっかけに。もう少しこういったことを考えませんか?とか、こんな事例があるなどお知らせして市町村が実施したくなるような方向へお話していくということをまずやりたいなと思っています。これからも、いろんな人が問い掛けて行かないといけないと思っています。
非常に重要な視点ですし、心強い限りですね。
本日は貴重なお話を聞かせていただき、本当にありがとうございました。
取材日:2021年8月某日
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■プロフィール
株式会社わざわざ 代表取締役 平田 はる香
1976年生まれ 2009年長野県東御市の山の上に趣味であった日用品の収集とパンの製造を掛け合わせた店「わざわざ」を開業する。2017年に法人化し株式会社わざわざ設立。2019年東御市内に2店舗目となる喫茶/ギャラリー/本屋「問tou」を出店。ECサイト2つと実店舗2店で事業を行い、リモートワークと移住者で構成された働き方も注目を集める。2020年度に従業員20数名で年商3億3千万円を達成。
平田はる香氏人物写真